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  • 2024年09月01日

東日本大震災伝承館へ行ってきました。

先日出張で盛岡へ行った際に、少し足を延ばし陸前高田市にある「東日本大震災津波伝承館」へ行ってきました。

この施設は、過去の津波災害の歴史、被災した実際の物、被災の現場をとらえた写真・映像など、2011年3月11日の悲劇を繰り返さないために、津波の事実と教訓を後世に伝えることを目的としたものです。そこには、2㎞に渡って密集していた約7万本の松林の中で唯一残った「奇跡の一本松」がありました。

その中で、一番印象深かったことを紹介させていただきます。

岩手県野田村にある野田村保育所では、月に1回の避難訓練を行っていました。それ以外でも普段から「速足散歩」という、行きは速足で、帰りはゆっくり歩いて帰って来るという訓練を普段の散歩で行っていました。

その行きの速足に秘密があり、この速足で幼稚園から出掛ける、いろいろな方向に出掛ける、いろいろな季節に出掛ける、いろいろな天候の日に出掛けるという訓練を繰り返して行いました。保育所の先生たちは「津波が来たときに、一体何分ぐらいで子どもたちはどこまで行けるものなんだろうか」「どの方向に歩くと、一番早く安全な高台まで行けるのか」ということを普段の散歩を通して探っていたのです。

そして、この野田村保育所は2011年3月11日あの時も、比較的スムーズに高台に逃れることが出来ました。0歳児は保母さんがおんぶや抱っこをして、1歳児、2歳児は3歳児が手を引いて、命からがら逃げた結果、全員の命を守ることが出来たということです。

約90名の園児は一人として泣く子はいませんでした。

これは保育所の人たちがそれまで積み重ねてきた「速足散歩」という毎日毎日行う散歩の中で、避難ということを意識して行ったという、地道な訓練の積み重ねの成果であったのだと思います。私たちも、日々の暮らしの中で、防災のことを考えて行動しなければならないということを学びたくなる事例です。

岩手では、過去に何度となく津波による災害が発生していました。明治29年6月15日の津波では21,959名が亡くなっています。

”災害は繰り返し起こる”ということ。

過去の災害から教訓を得て備えることが繰り返し起こる災害から命を守り、被害を減らすことにつながることを再認識しなければなりません。あれから13年が経ち防災意識が薄れかけてきた今、「東日本大震災津波伝承館」を訪れて、改めて学ばせてもらいました。

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