防災の日にあたり

1923年(大正12年)9月1日11時58分32秒、関東全域を襲った大地震は、未曾有な被害をもたらしました。

関東大震災の特徴は、火災による焼死が多かったと言われており、その理由は、東京都心に木造住宅が密集していたこと、さらに昼時で食事の支度をしていた家庭が多かったことが重なったことで広範囲に火災が発生したと言われています。
実は、関東大震災ではあまり知られていないのですが、沿岸部の津波の被害も甚大で、静岡県熱海市では12メートル、千葉県館山市では9メートルの津波が観測されたそうです。それにより鎌倉の街も壊滅的な被害を受けたそうです。

津波の被害を最小限に抑えるためには、やはりなるべく早く逃げること。南海トラフ地震の予想される犠牲者は23万1千人が死亡すると政府は試算しています。その70%は津波によると予想されていますが、有識者会議では迅速な避難により津波の死者は8割減らせるとしています。ですが、車イスの方やお身体の不自由な方が早く逃げるのは至難の業です。

少しでも高い所へ逃げるのに、たとえ、2階や3階に身体の不自由な方を背負って上がっていくのは、時間的にも体力的にもかなり厳しいことであり、危険です。
そんな危険を少しでも少なくするためにも、階段昇降機を設置しておくことは、1人でも多くの人の命を救うための第一歩だと考えています。

テレビのニュースやイベントでは、自分の足で逃げられる人たちに向けての情報はたくさん発信されていますが、車イスの方やお身体の不自由な人たちが逃げる方法は、あまり紹介されていません。
100年前の教訓を生かし、今日という日をきっかけに、全ての人が安心できる備えができているかを考える日になってほしいと思っています。