過去の被害は消せないけれど、未来の被害は減らすことが出来る。

あの日から10年。あらためまして犠牲になられた方々と被害に遭われた方々に、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。

そして今も 仮設住宅で暮らす皆様のご苦労に心中お察しします。

 

あの経験は絶対に、忘れてはいけないと思います。

 

9.11同時多発テロの際、ワールドトレードセンターには100台の階段避難車が設置してあり10数名の階段歩行困難者の命が救われました。

この時なぜ世界貿易センターには100台もの階段避難車が設置されていたのでしょうか。実はこの同時多発テロ以前にも爆破テロは起きていました。1993年2月26日爆発物を満載したトラックが北タワーの地下駐車場で爆発し、6人が死亡、1,042人が負傷しました。

「過去の被害は消せないけれど、未来の被害は減らすことが出来る」

最初のテロを教訓として、100台もの階段避難車を設置したことにより車椅子利用者などの階段歩行困難者の命が救われたのです。

岩手県大船渡市への到来した津波の高さは3階建ての建物をも一気に飲み込む16.7mだったと推定されています。この高さを知っているだけで、とれる行動は変わってくるはずです。世界で起きている震度5以上の地震の20%は日本で起きています。まさしく日本は地震大国なのです。

「南海トラフ巨大地震」が発生する危険性が高いことも指摘され、先の東日本大震災の大きな余震もまだ続くと言われています。昨今は異常気象による水害などの自然災害も増えてきています。“垂直避難”を可能とする避難車を普及させていくことが出来れば、避難方法の選択肢は確実に広がります。高齢者・要支援者やその家族が「どんな時でも助かる」という気持ちを持ちながら、安心して日常生活を過ごせる世の中の実現に向けて、「誰も置き去りにしない社会」の構築のため微力ながら努力させていただきます。

 

階段避難車安全推進協議会 代表幹事                                                                     株式会社サンワ 代表取締役社長                                                                       美澤 暁彦